第33回 分子生物学会 年会 ポスター発表(3P-1149)
3P-1149 ポスター
2010-12-09 ポスター会場 Poster Room
バイオチップによる生体分子計測の国際標準化
International standardization of bio-molecule measurement by using of Bio-Chip
○中江 裕樹
○Hiroki Nakae
特定非営利活動法人 バイオチップコンソーシアム
Japan MicroArray Consortium
Keyword:DNA microarray/external standard/ISO/IVDMIA/companion diagnostics
ゲノム配列の解明は、多くのDNAプローブを基板上に固定化したDNAチップの開発を加速した。さらにDNA以外のプローブ分子の利用や、前処理など反応系の実装なども試みられ、一般的にバイオチップと呼ばれるようになってきた。日本は、このような生体分子計測の基礎研究に大きく貢献しながら、一方で、バイオチップを利用する研究支援ビジネスにおいて、米の企業にデファクトスタンダードを握られ、苦しい状況が続いてきた。しかし近年、バイオチップの用途が研究利用から医療・医薬、食品検査等の産業応用へのシフトが現実化しつつあり、マーケットの状況も大きく変化する可能性が生じている。
研究用のバイオチップでは、1つの対象に対して複数のバイオチップを用いてデータを取得し、その後、統計解析を行うことも可能である。しかし食品検査や診断等に利用する場合には、1度の解析で判断に十分な、正確で再現性のある情報が得られなければならない。どんな施設で、どんなプラットフォームで解析を行っても、解析結果が一定の誤差範囲に入る精度が求められる。このような精度、再現性を実現するためには、解析手順や品質保証方法を標準化することが不可欠である。この標準化の取り組みは世界的に見てもまだ始まったばかりであり、今が日本の標準化に対する取り組みを強化する好機である。
このような背景からバイオチップコンソーシアムが組織された。現在、新事業創出を目的とする活動の一環として、食品分野を担当するISOの食品専門委員会(TC34)への標準化提案を進め、さらに今年度より、最先端研究開発プログラムにより、基礎研究から産業応用までを標準化で繋ぎ、いち早く最先端技術に関するグローバルマーケットを創出しようとする試みも開始した。
高い技術力で製品を開発し、国内マーケットで事業を立ち上げてから世界へという構図は、今や成り立たなくなったと考えても良い。本報告では、これからのバイオチップの世界市場を左右する国際標準化動向と、日本の標準化戦略をまとめる。

