ご挨拶

Chairman Image JMACは2007年にバイオチップコンソーシアムとして設立し、現在はバイオ計測技術コンソーシアムと名称を変更して、より広範囲なバイオ技術の産業化支援を目指し、バイオチップだけでなく、多項目遺伝子検査、核酸合成、データベース、再生医療など様々な領域の産業の事業化に貢献するための活動を続けています。

JMACでは、設立当初から日本国内の企業間の連携を促進し、公正なルールで国際市場競争に挑めるよう、経済産業省の支援のもと、国際標準化や標準物質の整備に取り組み、産業促進・市場創出への貢献を目指してきました。すでに国際標準ISOでは4つの発行済みの規格開発に貢献し、現在も多くの分野の国際規格の開発にかかわっています。これら活動を継続することにより、国益や産業界の利益のため、バイオ分野産業における国際ルール形成を支援しています。

また、バイオ計測技術は、検査の産業化を目的とするものも多く、昨今のCOVID-19を始めとする感染症の検査技術はいうまでもなく、食品に対するGMO検査やがん遺伝子に対する臨床検査など、各種の幅広い検査技術が開発されています。これら検査技術への注目度が増すなか、安心、安全な検査を実用化するにあたり検査の精度管理の課題がクローズアップされてきています。JMACでは検査の精度管理に関する課題や必要な施策などを強く意識し、新しい検査技術に関する国際標準化活動、産業支援の取り組みも行っています。

長年日本は「もの作り」を特長とした産業を形成してきましたが、現在は、さらに付加的な要素が必要となってきています。バイオ計測技術はデバイスや材料などのもの作りだけでなく、様々な技術や施策を融合して成り立つ複合的な産業であり、今後日本が勝つことができる技術分野であると期待しています。日本が生み出した優れた製品を世界市場へ届けるためにも、国際標準化活動を始めとする中長期的な視野での支援活動のもと、JMACはこれからもバイオ技術の産業化促進に貢献していきたいと思います。

令和4年9月 バイオ計測技術コンソーシアム会長 信正 均(東レ株式会社)