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第8回JMACシンポジウム講演要旨

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  3. 第8回JMACシンポジウム講演要旨

会長挨拶

源間 信弘
JMAC会長/株式会社リコー フェロー HC事業本部 事業本部長

  新型コロナウイルスによる地球規模でのパンデミックは勢いが衰えることなく、いまだに収束の道筋が見えていない。一日当たりのPCR検査は米国では180万件以上、検査の少ない日本国内でも7万件を超える状況になっている。日常誰もがPCR検査について情報を入手できる状況であるにもかかわらず、PCR検査の正確さは充分なのかという問題に対しては不明瞭な点が多い。そのような状況下、偽陰性の感染者による新たな感染増加、偽陽性の増加による医療体制への圧迫など、PCRの精度の不充分さに起因した社会問題が顕在化している。これまであまり問題にならなかったPCR検査の精度管理を早急に構築することが極めて重要な問題となっている。実は、それは新型コロナウイルスの検査だけでなく、食品に対するGMOやノロウイルスの検査、EGFRやKRASといったがん遺伝子に対する臨床検査等、幅広い領域で普及しているPCR検査に共通の課題である。
  本シンポジウムでは、業界のKOLの先生方にPCR検査の精度管理の課題や必要な施策について幅広い観点から講演をして頂く。

座長挨拶

的場 亮
JMAC運営委員長/株式会社DNAチップ研究所 代表取締役社長

  昨年は新型コロナウィルス感染拡大で世界が一変しました。
  私たちの生活様式、働き方も大きく変化し、感染症に関する様々な情報がニュースで流れ、ウイルスの正体、その症状や、治療薬、検査法の開発等が紹介されるとともに、バイオテクノロジーに関する人々の関心も高まっています。その中で、PCR検査という用語が一般の人たちに広く周知されました。臨床検査の中では、必ずしもメジャーでないこの検査は、世界中で広まり、これまで遺伝子を扱ったことない人たちも巻き込んで、様々な場所で行われるようになりました。PCRは、私たちJMAC会員企業にとっては基本中の基本のテクノロジーですが、一方で、新型コロナウィルス検査の陽性・陰性判定をめぐる精度的、技術的な課題も表面化しました。
  本年のJMACシンポジウムでは、このPCR検査にスポットを当て、「一般用語化したPCR検査、一般用語化していない精度管理」という副題を付けました。科学技術の発展とともに、様々なバイオ計測技術が開発されてきましたが、それらの産業化には、精度管理が非常に重要だと考えています。
  いつもと違うオンライン形式でのシンポジウムとなりましたが、この分野の第一線で活躍されている講師の先生方をお招きし、開催する運びとなりました。皆さまのご参加をお待ちするとともに、より深い議論の場となれば幸いです。

COVID-19対策におけるPCR検査の利用拡大と精度確保

宮地 勇人
東海大学 医学部基盤診療学系臨床検査学

  SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)感染(COVID-19)パンデミック対策において、国は、PCR検査の実施件数を伸ばすため様々な方策(保険適用、体外医薬品の緊急承認、検査試薬の需給調整等)を実施してきた。しかしながら、感染制御に必要な検査実施件数の伸びは十分ではない。
  日本臨床検査医学会では、SARS-CoV2 RNA検査について実態の課題を把握し対応を図るため、2回に渡り、評議員にアンケート調査を行った。第1回は、緊急事態宣言前(3月31日-4月6日)、第2回は、緊急事態宣言解除前(5月18日―23日)に実施した。これら調査の結果、課題は、①検査の保険適用、②試薬・装置、③検査の精度保証、④要員訓練と要員確保の4つに整理され、精度保証の課題は継続していることが明らかとなった。
  日本医師会 COVID-19有識者会議では、必要なPCR検査を実施出来ない状況が続いている結果、医療、社会・経済に対する深刻な影響をもたらしている現状を鑑みて、「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォース」を5月5日に設置した。本タスクフォースは、課題の抽出と整理に基づき課題解決のための方策と提言をまとめた(中間報告書5月13日、解説版7月21日)。喫緊の課題に対して、分析に基づくソルーション案を提示した。3つのセクター(行政側、検査室側、企業側要因)の分析と課題整理に基づく対策の提案を行った。国に求める長期的戦略として、①医療機関・検査機関の機能整備、②LDT運用や緊急薬事承認の基盤整備、③精度保証・標準化のための国家機関の設置、④国内医療産業基盤の整備を提唱した。
  厚生労働省はPCR検査等の精度の確保を図るため、委託事業「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等の外部精度管理調査事業」(10月-3ヶ月間)を実施した。その結果、精度の確保に係わる実態と課題が明らかとなった。
  本講演では、SARS-CoV2 RNA 検査の精度確保について実態と課題を整理し、今後の感染症流行への対応の参考となることを目的とする。

略歴
・慶応義塾大学医学部 1981年卒
・職歴:慶応義塾大学医学部内科学教室(血液)助手、米国シティオブホープ国立医療センター 研究員を経て、現在~東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学 教授、同付属病院 院内感染対策室長・臨床検査科長
・専門分野:臨床検査学
・関連活動(現在):日本臨床検査医学会(遺伝子担当理事)、日本臨床検査標準協議会 遺伝子関連検査標準化専門委員会(委員長)、ISO/TC212国内検討委員会(委員長)、日本医師会COVID-19有識者会議「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォース会議」(班長)

信頼のおける食品検査のために

橘田 和美
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門

  信頼のおける分析を実施するために留意すべき点の一つとして、標準物質の適切な利用が挙げられる。実際、国際標準化機構(ISO)が2017年に第3版として発行した国際規格ISO/IEC 17025:2017(General requirements for the competence of testing and calibration laboratories)において、標準物質は結果に影響を与え得る設備の一つとして明示されている。演者はPCR法に基づく遺伝子組換え作物の検査法の開発に携わっているが、遺伝子組換え作物の検査結果は食糧の国際貿易や食品表示等に影響を与え得るだけに、標準物質の提供体制が整備され、信頼のおける検査のために利用されている。さらに、適切なコントロールの使用は信頼のおける分析結果を取得するために必要不可欠である。遺伝子組換え体の検査法に係る一般要求事項と定義を定めた国際規格、ISO 24276(Foodstuffs – Methods of analysis for the detection of genetically modified organisms and derived products – General requirements an definitions)には、DNAベースの分析法を使用する際に設定すべきコントロールが定められている。
  ところで、遺伝子組換え作物の検査に限らず、分析機器の高感度化等により低濃度域の分析が可能になってきている。例えば、PCRにおいては条件が整えば1コピーの標的配列からの増幅も可能であるといわれている。事実、PCR検査は、対象配列の増幅の有無を判定の指標とする定性検査にも広く用いられており、低濃度域の分析にも利用されている。そして、それに呼応する形で低濃度域における分析の精度管理が求められるようになってきているが、その目的を達成するためのツールとなり得る標準物質は存在しなかった。そこで、演者らのグループでは、数コピーから数十コピーレベルの、極低濃度域における分析の精度管理に資する新たな“1コピーDNA標準物質”の開発に取り組んできた。
  そこで、本講演においては、信頼のおける分析を実施するために欠くことのできない、標準物質およびコントロール等について概説するとともに、新たに開発した“1コピーDNA標準物質”と精度管理における同標準物質の利活用の可能性について紹介する。

略歴
東北大学農学部食糧化学科卒業、カリフォルニア大学デーヴィス校食品科学部修了、博士(農学)。農林水産省入省、食品総合研究所(現・国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門)に配属、この間タフツ大学USDAヒト栄養学加齢研究センター客員研究員、現在に至る。内閣府食品安全委員会専門委員(遺伝子組換え食品専門調査会)、ISO/TC34/SC16 分子生物指標規格専門分科会委員 ISO/TC34/SC16/WG9 種子及び穀物のサブサンプリング コンビーナ 等。

新型コロナウイルスのPCR検査
~原理からピットホールとその対策まで~

川上 大輔
株式会社 島津製作所 分析計測事業部 バイオ・臨床ビジネスユニット

  2020年1月以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界各地で猛威を振るっており、世界中で9,000万人以上の感染者や多くの死者が出ている。ワクチンの接種や治療薬の開発が進められているが、未だ終息の見込みは立っていない。新型コロナウイルスは、ウイルス自身の遺伝情報を(一本鎖)RNAとしてもつRNAウイルスの一種である。自律複製することはできず、ヒトの粘膜細胞などに付着し、入り込んで増殖することが知られている。感染拡大を防ぐために、PCR検査をはじめとする検査数や検査体制の拡充が求められている。現在、新型コロナウイルスの感染を調べる方法として、PCR検査を含む遺伝子検査や抗原検査が用いられている。遺伝子検査の中で最も汎用されているPCR検査は、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain-Reaction)を利用することで、ウイルス由来の遺伝子配列を100万-1000万倍以上に増幅することができる極めて高感度な分析手法である。PCR反応により得られる増幅曲線の有無で陽性または陰性を判定することができる。
  本講演では、新型コロナウイルスの計測技術として、PCR検査(正確には、RT-PCR法を用いた検査)の原理や検査手法について紹介する。また、PCR検査のピットホールであり、偽陽性の原因の一つともいわれるキャリーオーバーコンタミネーションとその対策例について、我々の経験から注意点を紹介したい。

【参考文献】日本分析化学会 機関誌「ぶんせき」2020年10月号
川上大輔:緊急連載 新型コロナウイルスと分析化学 「新型コロナウイルスの PCR 検査~原理からピットホールとその対策まで」

図1 加水分解プローブ法の原理
図1 加水分解プローブ法の原理

図2 コンタミネーションの調べ方
図2 コンタミネーションの調べ方

略歴
2007年3月 大阪大学大学院医学系研究科 医科学修士課程修了。同年4月 株式会社 島津製作所 入社。臨床分野の機器開発、質量分析技術用いたアプリケーション開発、新型コロナウイルス検出試薬キットの開発を担当。2015年より国立循環器病研究センター 客員研究員。2019年より東京慈恵会医科大学 訪問研究員。2020年度 日本臨床化学会 学会賞(技術賞)受賞。

AI・ロボットで実現するライフサイエンスの自動化・遠隔化

夏目 徹
国立研究開発法人産業技術総合研究所

  パンデミック、コロナ禍、ロックダウンが現出し、そしてテレワークが現実の生活として社会に浸透するとともに、自動化・遠隔研究が希求の事項となった。
  本講演では、自動化・遠隔化が生み出す真の価値を議論し、ライフサインエスにAI・機械学習を実装するための、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の実体であることを論じる。また、煩雑で変更の多いライフサイエンスの作業を自動化するための戦略と、AIとの融合事例も紹介する。

略歴
国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 首席研究員、兼、ロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社 取締役(CSO)

 

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